感想:はやぶさー遥かなる帰還ー

ええ、みてきました。渡辺謙のはやぶさ。
例によって敬称略、ネタバレアリで感想。
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…でまぁ、最初に書いちゃうが、あんまりいい印象はもちませんでした。
途中からモゾモゾし出す人があちこちいた気がするけど、しょうがないかなぁ、と。
いや、カッコいい画面は撮れてたとおもうんだよね。
で、名優をいっぱい集めてるんで、カット単位では凄くいい。全体に暗めのトーンでまとめて、重厚な感じなのも良かった。
役者の演技では、とくに、渡辺謙が、なんというか、渡辺謙「らしくない」役を見事に演じていて、ああ、俳優さんてすごいなあと。藤竜也もよかったね。まぁ、でも、その辺は当然といえば当然だけど。
…なんだけどねえ。
全体にとにかく、まとまりがない。
せっかく、視点人物にできる朝日新聞の記者さん(夏川結衣ね)をメイン人物にしてるのに、彼女の視点で話がつながっていかない。渡辺謙、江口洋介=吉岡秀隆、夏川結衣=山崎努、三つのはなしが、単にバラバラに展開されてて、何を見せたい映画なのかよくわかんない。
それぞれで、つなげて考えると、いい映画のような気がするけれど、通しで見た時に、消化不良の連続、みたいな。
中村ゆりもキレイでよかったけど、なんかただ綺麗どころを画面にいれたかっただけ、になっちゃってないか?
時間の経過も、最後の三年間ダケ、それっぽいみせかたをしてたけどなぁ…打ち上げから帰還までだけに限定して描いてる割には、端折りすぎというか、端折るなら端折るで、燃えるカットだけつないだほうが良かったんじゃないかなあ…
原作・山根一眞、というのが監督の構想とぶつかっちゃってるのかなぁ…
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竹内結子の、というか、堤幸彦の「はやぶさ/HAYABUSA」は、おそらく、予算不足で、絵面には迫力を持たせられてなかったも思うけれど(そういう映画でもなかったが)、なんにせよ、終盤はなんだかちょっとガチャガチャした気がするけれど、基本的に竹内結子演ずるオーバードクターの人がはやぶさに関わった体験、という形で、視点が座ってるので、集中がとぎれることなく見ることができた。
はやぶさの打ち上げ、ではなくて、はやぶさの企画の段階から話がスタートしているのもうまくて、アレで時間の経過が(遥かなる帰還よりはるかに長い)観客に無理なく伝わるようにもなってる。
というか、はやぶさのなにを伝えるべきだったのか、堤幸彦は把握できていたんだろうな。あるいは、堤幸彦自身がはやぶさの活躍をリアルタイムで喜んで追いかけていたのかも、と、思わせる作り方だった。
そもそも、視点人物を中核メンバーではない研究者に据えているところで、はやぶさが宇宙研における探査計画そのものを描きたかったんだろうと思わせるよね。
あの映画は(世間的には失敗だったことになってるみたいだが)佳作だったとおもう。
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繰り返しになるけれど、遥かなる帰還は、見せ所を絞れなかったのがダメだったとおもってる。
もしかしたら、朝日新聞の記者さんは本来登場する予定がなくて、出資者サイドから要請があって後付けで付け加えたキャラなのかもなあ。あの記者さんが浮きまくってて、あの人の話がなければ、もっと緊張感が保てたようにも思えてきた。
…やっぱだめか。いっそ、イオンエンジンの話に絞れば良かったんだろが、それじゃ「はやぶさ」のえいがじゃないしな。
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藤原竜也のはやぶさは、どうなんだろうなぁ。

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